2018年02月16日

公認デート・8







「……悪かったな、佐野」
「………へ?」


一喝されてもおかしくない場面で、黒川はそんな事を言う。
…考えてみれば最初から、危険が無い訳ではない佐野と食事に行かせたり、少しでも怪しければすぐにイツキの元に駆け付けたりと…、…黒川は変だ。


どういう事なのかと佐野は、半分頭を上げながら、ビールを飲みながら薄く笑う黒川を見る。


「…相変わらず、…馬鹿だな、イツキは…」
「いえ、……俺が誘ったんで……」
「あいつ、何か言っていたか?」
「……へ?」


探る、口ぶり。明らかに、佐野の目の前には、イツキの事を気に掛ける黒川がいた。


「…あいつ、また、…ヤられてな。まあ、よくある事だ、別に怪我も何も無いんだが…、
少し気になる事があってな……」
「……相手って、解ってるんスか?」
「いや。……だが、…いや、……まだ、な……」




心当たりでもあるような、黒川の様子。
佐野は他に何か尋ねようか、何か話そうかと慌てているうちに、通路の向こうにトイレから戻ってくるイツキを見つけてしまう。
そして、特に考えもせず、場を繋げるために


「……あー、あいつ…、……社長とのセックスが一番イイって言ってましたよ」


と、言う。







その後に見せた黒川の表情は、佐野が、今までに一度も見た事がないものだった。







posted by 白黒ぼたん at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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