2018年02月20日

黒川夜話









イツキを甘やかしている自覚はある。

元々は、売り子だ。
馬鹿な親父のせいで負債を負い、何もかもを俺に差し出した。
俺も多少感情的になり、あいつに辛く当たることも、やや、あっただろう。
何でも言う事を聞くあいつを好きに扱うのは、半分は俺の身勝手だと、解っていた。

『マサヤは、もっと、俺に優しくしないと駄目だよ』

粗雑な態度に飽きたのか、次第にイツキは生意気を言い始める。
この関係を保てていられるのは自分の我慢のお陰と、その対価を求める。
まあ、言い分も、解らなくはないので、時々は、折れてやる。

言う事をきき、優し気な素振りを見せれば機嫌も良くなる。
冷たい寝床を温めておくには丁度良い。甘い菓子でも買っておけば、なおのこと。

将来を誓い合う訳でもない。過分な要求もない。手慰みにしては、上等だろう。








と、自分に言い聞かせてみるのも、限界で。

男にしては柔らか過ぎる素肌を毛布に包み、丸まり、ちらりと顔だけ出す。
帰って来るのが遅い、などと、この俺にそんな他愛もない愚痴を言い、拗ねる。
見上げる眼差しに視線が絡むと、どうにも冷静ではいられず、誤魔化すように、あいつの髪の毛をくしゃりとやる。



その手を、なかなか離す事が出来なくて、困る。









posted by 白黒ぼたん at 23:49| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
再録がめちゃ良いです〜
ひっそり追記されていたので拝読致しました。
不定期で良いです。
思い出し範囲で再掲載希望致します。
Posted by まる at 2018年02月21日 16:36
以前のお話は本当に手元になくて…
あたしも残念で……
アップできそうなものがあったら、
またひっそり、載せておきますね♪
Posted by ぼたん at 2018年02月22日 22:56
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