2018年03月10日

本題・2







「…ミツオさん、俺、今日、そんなに遅くまでは駄目です…ケド」
「ああ、俺もこれから仕事だから。取りあえず何か食べよ?ここ、サーモンのクリームパスタ、美味いから」


美容師のミツオは普通に恰好良い。
長身で肩までのパーマっ毛。今はオシャレな口髭をたくわえている。
街中で擦れ違う女子が、10人中9人は振り返る。
パスタをフォークにくるくる絡める指先が、長くて、イツキもつい、見つめてしまう。


「……イツキちゃんは、進路、決まった?」
「え、いえ…。…上の学校とも思ったけど…、マサヤと…、あ、えーと…、今一緒にいる人と…、……一緒にいるのがいいのかなぁ…と…」
「ええ?…ケッコンしちゃう訳じゃないでしょ?」


ミツオの言葉にイツキは驚き、フォークを口に咥えたまま、目を丸くする。
その表情に思わずミツオはくすくすと笑う。




「…あのさ。今度、店、リニューアルするんだよね。上の階も使って、ネイルとかも出来る大きなサロンにするんだけど…。
…イツキちゃん、本格的にスタッフで入ってくれないかなって…。受付とか事務方とか、そういうの。
今までは若手のスタイリストが交代で事務仕事も見てたんだけど、専門の子がいた方がいいな…って、…店長とも話していてさ……。
だったら……、イツキちゃんが良いなって……」


「……俺に、……仕事?」


「うん。5月オープンでまだ先の話だけど。…ちょっと考えておいてくれるかな?」







posted by 白黒ぼたん at 21:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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