2018年03月15日

本題・最終話








「……仕事も、まあ、いいだろう。ずっと、お前を連れ歩く訳にもいかないからな…。
美容室だか、ミツオだか知らんが…、…まあ、…いい。
…ただ、まだ少し大人しくしていろ。…池袋の動きが、気になるからな…。
ああ、5月オープンとか言っていたな、…ふん。丁度いいか……」




黒川の指先と言葉で、イツキは軽く行き、小さく震えながらベッドに伏せる。
黒川は一度イツキから離れ、飲みかけのビールを一口飲み、煙草に火を付ける。

適当に聞き流していたイツキの話を、一応、ちゃんと聞いていたのだろう。
ベッドの縁に座り、煙草を吹かしながら、そんな事を言う。


「…余計な揉め事は起すなよ?…見境なく、男に媚びを売るな。…まあ、そう言ってもお前の事だ、すぐに新しい問題を……」
「………マサヤ」
「…持ち込む。……そうだろう?」
「……ん…」


小言に、反論でもしたいのか、イツキは身体を少し傾け、黒川の方を向く。
手を伸ばし、ベッドに突いていた黒川の手に、重ねる。


最近のイツキは、本当に生意気だと、黒川は思う。
そうやって自己主張もすれば、反論も、抵抗もする。我が儘も言う。
ある程度は譲歩し、飲んでやっているのだと思う。

まだ、自分が、イツキをコントロールしていると、思ってはいるのだけど。





「………マサヤ、続き。……して」




きゅっと手を握られ、そう請われると、一瞬で、何かが吹き飛ぶ。


イツキは黒川を見上げ、にこりと、笑った。






posted by 白黒ぼたん at 23:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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