2018年03月17日

小話「ストーカー」







「……仕事、ですか?『Sutudio JAM』?ああ、表通りの…、夏にバイトをしていた所ですね。へえ、良かったじゃないですか」



事務所で。
イツキと一ノ宮の二人。
イツキはざっと、そんな話をする。



「うん。でも、マサヤが反対しなかったのが、意外と不思議…。気持ち悪いくらい…」
「ははは。…あまり束縛し過ぎては、イツキくんに嫌われると思ったのでしょう」


軽く笑いながら、一ノ宮は真実を言う。

冷静に考えてみると、二の足を踏んでいるのは、イツキの方だった。



「そうなの?……まあ、そう思って、そうなら……、良いけど。ありがたいけど。
……ほら、俺って、……ちょっと…、……その、…普通じゃないじゃん?
問題とか、影響とか、……大丈夫なのかなって……」

「あの美容室が入るビルは10年前の再開発の折にバックが綺麗になって…、今は大手のクリーンな企業が付いています。
併せて、この界隈でしたら、社長が影響力を持っていますし、美容室のオーナーもグループ企業の会長も存じ上げています。
まあ、問題は、そう起きないと思いますよ?」

「……え。……そんな事、いつ調べたの?」

「………えーと。………夏に、イツキくんがバイトに行った時点で……、社長が洗っておけよ、と………」





そこまで話して、一ノ宮とイツキは顔を見合わせ、はははと、乾いた笑いを浮かべる。

『まるで、ストーカーみたい』 と

お互い、思ってはいたが、口には出さずにいた。





posted by 白黒ぼたん at 23:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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