2018年04月02日

黒川のヒミツ・3







現れたのは、若い女だった。
切れ長の目、無造作にまとめた金髪。派手なラメの入ったジャージの上下。
訪問者のイツキを上から下まで何度か往復して見遣り、何ごとかと、いぶかしむ。



「………ナニ?」
「……あ、えっと。……黒川に…言われて…来たんですけど………」
「……アー、黒さんねー」



女はようやく事情が呑み込めたという風に頷き、ニコリと笑う。笑うと、普通に可愛い。
イツキは、黒川が『黒さん』と呼ばれた事に、まず、驚く。


「ハルモニから聞いてるヨー。ハルモニ、腰、悪くして、病院行っちゃったんだよ。
…ヤダー、黒さんにこんな息子さんいたなんて、知らなかったよ、アハハー」


女は声を上げて笑う。どうやらイツキを黒川の子供と勘違いしているようだ。
もっとも、年から考えれば仕方が無いことかも知れない。初見で、イツキが黒川の恋人だと気付くのは稀だろう。


「…あ、…その、……子供じゃないです…」
「待っててね、今、持ってくるから」



イツキが慌てて誤解を解こうとしている内に、女はそう言って、一旦部屋の中に戻る。
そしてすぐに、手に、何かビニール袋のようなものを持って、出て来る。





危ない荷物。……薬物や何か…。秘密裏に取引されるようなものだろうか……。

イツキは緊張して身構える。






「ハイ。ちょっと辛く漬かたかも。今回のキムチ」






posted by 白黒ぼたん at 22:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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