2018年04月07日
イツキ三杯目
イツキは、部屋に帰るなり、キッチンに入り
棚から日本酒の一升瓶を取り、コップに注ぎ、水のようにごくごくと飲み干す。
自分に、アレコレ嫌な事を考える間も与えず、どうでもよい事と流してしまうには、度数の高いアルコールに頼るしか無くて、
二杯目をグラスに注ぎ、それも途中までは飲んで、溜息を付き、口を真一文字に結び……、残りを飲み干す。
「……はは…は」
意味も無く乾いた笑いを浮かべる。
酔いが回って来るのは、もう少し、先。
帰り道の途中で、苦手な相手に会った。
以前、何度か、相手をした相手。
白昼最中だと言うのに、下品に笑い、イツキの腰と尻を触り、がなり立てる。
「…なんだよ、勿体ぶってねーでヤらせろよ、イツキ。お前のケツなんざ、精液便所だろう?チンポ下さいって、自分で穴、広げて、オネダリしてたじゃねぇか?
…はは、そん時のビデオもあるぜ?今から上映会でもやるか?
たまんねぇよなぁ…、早く、ヨがれよ、オイ!」
他にも、およそ聞くに堪えない暴言を吐き、それは連れの女性が止めに入るまで続いた。
男が言った事は本当の事だし、今更、そんなもので落ち込む程、初心でも素人でもないのだけど、やはり、嫌なものは嫌で
気分を変える為に、ついつい、酒に頼ってしまう。
三杯目の日本酒をグラスに注いだ時、部屋に、黒川が戻って来た。
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