2018年04月11日
あと5分
ずっと鳴らし続けていた電話がようやく繋がる。
何か、深刻な事態でも起きているのではないかと心配していた西崎は、その向こうの様子を探る様に、ケータイを耳に押し当てる。
「……社長?……どうしました?……何か、問題でもありましたか?」
「…………ああ、いや。…………大丈夫だ………」
黒川の言葉の合間に、ガサガサと何か音がする。
…まだ探し物が見つからないのか、それともすでに移動中なのか。
「…先方さん、もう着いてるようですよ。……時間が……」
「…ああ。……すぐ、行く。………西崎、マンションの前に車を回しておけ。……あと、5分で降りる……」
「……は……」
西崎の短い返事も待たずに、電話は切れた。
「……クソ…」
黒川は電話を切り、床に放り投げ、小さく悪態をつく。
そして、抱えていたイツキの足を、もう一度持ち上げ、挿入している箇所をさらに密着させる。
玄関先で二人、立ったまま。
イツキは背中を壁に預け、黒川に腰を抱えられて、いわゆる駅弁スタイルで。
こんな所で始めるつもりは無かったのだが、始まってしまったものは仕方がない。
「……少し、イジられたくらいで、ヤケ酒煽りやがって…、馬鹿が……」
「…マサ…ヤ…、……まだ、……むり………」
「…………そんな顔を見せる…お前が、悪い……」
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