2018年04月22日

判断ミス








駅前で、じゃあねバイバイと手を振って、沼原と別れた。
久しぶりの学校も、人と話すのも、意外と楽しくて、イツキは少し気持ちが軽くなっていた。

時間はまだ明るい、昼下がり。
ここからタクシーに乗っても良かったが、電車で移動しても、まあ問題は無いだろう。
…向こうの駅前で、買い物もしたい。…エキナカのデリカで、好きなサラダを買って行こうと、イツキは改札をくぐった。






結果的には、この判断が、失敗だった。






移動は電車で八駅ほど。
昼間とは言え、都心の環状線はいつも混雑している。
逆にイツキはその方が安心で、普通に、来た電車に乗り込む。
別段、変わった事は、起きていなかったと思う。


それでも、電車が駅を離れてすぐに…、…いやに自分の周りだけ、混み合っているような気がした。無意識に人に押されている内に、体格の良い男達に取り囲まれる。


黒い眼鏡を掛けたスーツの男。深々とハンチング帽を被った、ジャンパー姿の男。数名いる男達のどれもが…、明らかに、堅気の様子では無く。
イツキは、まさかと、身を固くし、逃げ場を探す。



そうしている内に、イツキの腰に、男達の誰かの手が、延びて来た。




痴漢には、…何度か、遭っている。
ミツオとだって、最初は、そんな事がキッカケだった。


けれど、今、イツキの身体を触っているのは、あまりに手練れた、計画的なもののように感じる。

その証拠に、囲まれたイツキは、それ以外の乗客からはすっかり遮られ…
手も、口元も、封じられ、簡単に、ズボンのベルトを外されてしまった。






posted by 白黒ぼたん at 21:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/183055205
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック
最近のコメント
フェスタ・3 by はるりん (11/12)
フェスタ・2 by ぼたん (11/11)
フェスタ・2 by はるりん (11/11)
フェスタ・1 by はるりん (11/07)
得意技 by はるりん (11/05)
イツキ沼 by はるりん (11/03)
多少の理性 by はるりん (10/31)
わかりやすい迷路 by ぼたん (10/29)
わかりやすい迷路 by はるりん (10/26)
覚悟 by ぼたん (10/25)