2018年05月16日

イケシャアシャア








『……大丈夫ですか?……扉、開けますよ?』




扉の外から係員らしき人の声が聞こえる。
当然、鍵は掛かっているのだが、非常時には外から開けられるのだろう。
ドンドンと扉を叩きながら、中の様子を伺っているようだ。



中では、
男が名残惜しそうに、イツキを眺めていた。




「……試さなくて、良かった?」
「何が…」
「セックス。……私たち、身体の相性、イイと思わない?」
「………思わない!」




イツキがムキになって声を荒げたところで、扉が開き、係員が中に入って来た。
少し、予想していた光景と違ったのか戸惑ったように、イツキと男の顔を交互に見遣る。



「ああ、良かった。いや、この子が電車で気持ち悪くなってしまったようで、様子を見ていたんです。
熱でもあるのかな?…動けなくなってしまったみたいで……」


男はいけしゃあしゃあとそんな事を言い、係員がイツキの傍に寄った隙に、脇をすり抜け、

……最後にチラリと視線を流して、外に出て行ってしまった。









posted by 白黒ぼたん at 00:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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