2018年05月17日

その頃の黒川









その頃の黒川は、まあまあ、大きな仕事の真っ最中だった。


西崎と配下の若い衆を数人連れ、負債を抱えた、とある会社に赴き
一頻り暴れた後は経営者に頭を下げさせ、最後に残された土地の譲渡契約書にハンコを押させる所だった。


胸ポケットのケータイが鳴る。





『………マサヤ?』
「今、忙しい。後にしろ」
『…迎えに来てくれないかな…?』
「……忙しいと言っただろう、切るぞ」



隣にいた西崎が、何か急用でも…と、心配そうに黒川を見るも、黒川は、関係ないという風に手をひらりと外に振る。
……その様子と、少し漏れる声で、電話の相手がイツキだと気付く。





『……あのさ、俺、今、駅なんだけど…。……痴漢に遭っちゃって、動けなくなっちゃったんだよね。………迎えに来て?』

「……ハァ?。タクシーでも乗って帰って来ればいいだろう」

『………おれ、今、一人とか、……無理。……マサヤ、来てくんないなら、別の人に頼んでも…いい?』

「……勝手にしろ」








そう言って黒川は電話を切る。




それでも数十分後には、駅の救護室で待つイツキの元に、半ば怒った様子の黒川がやって来るのだった。






posted by 白黒ぼたん at 23:14| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
なんだかんだと言いつつも
結局は行くのね〜むふっ♪
こういう展開、堪らない〜
Posted by 如月 at 2018年05月18日 00:02
最近の黒川は
イツキに甘甘ですから〜
Posted by ぼたん at 2018年05月22日 00:11
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