2018年06月17日

小話「写真・3」








「……きったねぇな……」



事務所に帰って来た黒川は、束ねられた新聞の山を見て、そう呟く。
紐の結い方が甘く、チラシなどが飛び出し、山は今にも崩れそうだった。
イツキに片づけを頼んだが、まあ、しないよりは多少マシという程度。
ゴミ袋を脇にどかせ、黒川はソファに腰掛ける。


ふと、足元に、写真が落ちているのを見つける。
掃除の途中、どこかからか出て来たものだろうか。


コトの最中の、イツキの写真。
男のモノを口に咥えながら、視線だけをこちらに寄越していた。


いつの、何のものなのか、まったく見当はつかない。……数が多すぎる。
こうなるように、自分が仕向けたのだから、別段、思う所もない。




「……ふん」



鼻息を鳴らし、黒川は写真をゴミ箱に投げ入れた。













黒川が二人の部屋に帰って来たのは翌日のこと。
手には、イツキが好きな寿司屋の折り詰めを持っていた。


「………近くまで行ったからな…」
「…すぐ食べる?…お茶、入れるね」
「…そういや、……事務所の湯飲みが、キレイになってたな…」
「茶渋!落とすの大変だったんだよ。スポンジの裏っかわで、超、擦ったよ」


そう言ってイツキは、穏やかな笑みを、黒川に見せた。











非常に分かりにくい黒川の気遣いww
posted by 白黒ぼたん at 22:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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