2018年06月18日

仕返し









「……や、だ……、や………、…………いや…」





自分の寝言で目が覚める。
イツキは薄闇の中、ここが、どこか、しばらく解らなかったのだけど
自分の部屋で、隣には黒川が寝ていて…、さっきの出来事はただの夢だったのだと
気付いて、一つ、深く息をつく。





あんな写真を見たせいか、昔の事を思い出してしまった。
どれ、という話ではない。どれでも、あの時分はいつも、酷い目に遭っていた。
好きで男に抱かれていた訳ではない。
悔しくて惨めで痛い思いも、いくつも、した。
あれは「仕事」で、そこに自分の感情は無いし、過ぎてしまった事はもう考えないようにしていたけれど
やはり、思い出すと……苦しい時もある。


そう、自分を苦しめた張本人が隣で眠っているのは
不思議。………少し、ムカつく。







イツキは、

寝息を立てる黒川の、鼻を、摘まむ。

少しすると黒川は寝苦しそうに、顔を左右に振る。

そして、目を、薄く開ける。






「………………なんだ?」
「……なんでもないよ…」






イツキはそう言って、黒川の横に潜りこみ、丸くなった。







posted by 白黒ぼたん at 23:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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