2018年06月20日
デートプラン
梶原は都内のガイドブックとケータイを眺め眺め、イツキと、出掛けるプランを考えていた。
本当は卒業旅行よろしく、泊りがけで遊びに行きたいのだけど…それは、キッパリ断られてしまった。
近場で、あまり賑やか過ぎず、それでも楽しくて、……ちょっと落ち着けるところ……
「……いや、別に、落ち着いてどうこうとか、考えてねーし、…恋人同士かよ」
自分でツッコミを入れながら、梶原は誰もいない部屋でふふふ、と笑った。
場所は、都内の海沿いの大きな公園に決めた。
水族館もあるし、観覧車もある。二人でバーベキューは…しないけれど、芝生の広場で弁当を食べてもいい。
夕暮れ時には海が見えるベンチに座る。
今まで、学校で楽しかった事とか、これからの事とか、話す。話して……
「……いや、それだけだから。他に何もねーだろ。……恋人同士かよ」
そう呟いて、梶原はまた、一人で笑った。
約束の日。
実は、梶原は楽しみ過ぎて、夕べはほとんど眠る事が出来なかった。
そのくせ直前になってうとうとしてしまい、あやうく、寝過ごすところだった。
目を覚まし、時計を2回見て、慌てて飛び起き家を出る。
待ち合わせの駅前。改札前にはすでにイツキの姿。
「……ごめんっ、……ちょっと遅れ…た………」
そのイツキの後ろには、憮然とした表情の、佐野が立っていた。
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