2018年06月27日

てっぺんにて








一通り景色を眺めてしまうと、意外と、する事が無くなってしまう。
向かい合い、ふと視線が合い。奇妙な間が空いてしまう。

何かよからぬ事を考えているのか、梶原はソワソワし、鼻の下などを擦ってみる。



「……ま、早いよな…。学校も、あとちょっとで終わりだもんな……」
「………そうだね」
「…お前と2年間…、楽しかった。……イロイロあったけど」
「……そうだね、イロイロ、あったね……」



観覧車の頂上まであと少し。
イツキは視線を外し、窓枠に頬杖を付いて、海を眺めていた。



「……イツキ」
「…ん?」
「…俺、お前のこと、好きだぜ?」
「………俺も…」




思わぬイツキの返事に、梶原は一気に高揚し、今にもイツキに抱き付こうかと前のめりになる。

けれど……





「……俺も、梶原、好き。……ほら、俺、……普通の友達っていなかったから、話したり、遊んだり、普通に付き合えるのが嬉しくて……。
俺がちゃんと高校生、出来たのも梶原のお陰だよ。
……ありがとう」




少し照れ臭そうにはにかみ、そんな事を言われては、

梶原は、浮かした腰を落とし、「……別に、そんな……」と、言うしかない。








それでも、イツキの言葉は
それは、それで、嬉しく誇らしいものだった。




posted by 白黒ぼたん at 23:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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