2018年07月02日

大切な時間









「イツキ、そろそろ時間。社長からも電話、入ってるだろ?……車、回してあるから、このまま帰るぞ」


食べ放題の店を出て、すぐ、イツキの前に佐野が立ちはだかる。
好きな甘いものを腹一杯食べ、次はカラオケかボーリングかと浮かれていたイツキは、一瞬で顔色が曇る。


「………まだ、………いい……」
「いい、じゃねーだろ。……ハイ、お疲れさーん」


佐野は、梶原の隣にいたイツキの腕を引き、梶原に軽くヒラヒラと手を振る。
梶原は釈然としなかったが、……それでも、もう、頃合なのだとは…思う。


「……まあ、もう、そんな時間かな…。ん…。今日はお開きにしようか」
「………泊まりで…遊んでも、いいのに…」
「あはは、そうはいかないだろ?……また、今度な」







イツキは、妙に、不安な顔。
今日のお出掛けがそんなにも楽しかったのかと、逆に梶原は不思議に思う。
佐野に腕を抱えられるようにして、歩き出すイツキは、2,3歩行ったところで……

踵を返し、梶原に向かって駆け寄る。






「…………梶原。……これで、お終いって事、ないよね?」
「…え?」
「…俺達って、……もう、これっきり…とかじゃ、……無いよね?」
「何、言ってんだよ。学校だってまだあるし。…それに、卒業したって、どうしたって、別に変らないだろ?……いつでも会いえるし、遊べるし……」
「………ほんと?」



イツキは、梶原の腕に手を掛け、今にも泣き出しそうな顔で、梶原を見上げる。




実はそれほどまでに、友人梶原との普通の時間が大切だったのだと……イツキも梶原も気付かされる。








posted by 白黒ぼたん at 20:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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