2018年07月13日

くだらない冗談







テーブルの上に現金と領収書と封筒を並べて、黒川と西崎は難しい顔をする。
本来、こういった細かで面倒臭い仕事は一ノ宮に任せておくものだが、
まあ、たまには、お鉢が回わって来る時もある。



「……これは…事務所の運転資金だ…、後は個別に封筒に…、……ああ、そっちの束に先月分の領収書が……」
「コレは駄目らしですよ?…弁護士先生のチェックが入ってます……」
「………知るか」




イツキは、革張りのプレジデントチェアに座り、背もたれをギイギイ鳴らしながら、黒川達の様子を伺う。
テーブルの上には分厚い札束がいくつか、無造作に置かれていて、まるで菓子の箱を取り分ける様に、それらを捌いていく。



ふと、顔を上げた黒川と視線が合うと、イツキは適当に手をひらひらと振り
黒川は馬鹿にしたように、鼻息を鳴らす。
それを見ながら西崎は、一服と、煙草に手を伸ばし、咥える。




「……ちょっとは、イツキに、何か手伝わせないんですかい?」
「あの馬鹿に、出来る仕事があるかよ」
「…ああ。……イツキの取柄は男とヤルだけでしたね」



黒川も煙草を咥え、一服。
くだらない冗談に、合わせて、笑う。





「……俺、何か、出来るよ?……手伝う?」



イツキが一応、そう声を掛けるも、
黒川は、いらん、とう風に、手をひらひらと振るだけだった。

その様子に、西崎は笑い、さらにくだらない冗談を重ねる。



「お前に出来るコト、して貰うかな…、はは。
社長、今度、イツキ、貸して下さいよ」



なおかつ、その言葉に黒川は
「……そうだなぁ…」などと、答えるのだった。









posted by 白黒ぼたん at 23:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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