2018年07月25日

三人の時間








梶原は用事があって、他の教室へと移動中。
聞き慣れた話し声がして階段を見上げると、イツキと大野が、図書室から出て来るところだった。



「…俺、お前に殴られる覚悟だったのに」
「やだ、大野。俺、そんな事、しないよ」



二人、嫌に距離が近い。
ふざけ合っているのか、肩や腕に手をやり、ぽんぽんと叩く仕草。
親し気に微笑む様子に、若干、嫉妬を覚える。



「……あ、梶原…」

先にイツキが梶原に気付き、手を振る。
そのまま階段を降り、踊り場の大きな窓の前で梶原と合流する。
大野はどこか少し照れ臭そうに、梶原に、小さく笑って頭を少し傾げる。
……梶原には、二人の空気感がサッパリ解らない。



「…何?どうした?…図書室で何の話だったの?」
「……んー、……内緒」



今度はイツキが照れ臭そうに笑い、大野を見遣る。



イツキにすれば、キスだのハグだのセックスよりも、
『ずっと友達でいよう』などという言葉の方が、よほど、照れ臭いのだった。




その後は食堂へ向かい、三人で、コーヒーを飲んだ。
こうやって時間を過ごせるのもあと僅かなのだと、知っていたけれど、誰も口にはしなかった。






posted by 白黒ぼたん at 23:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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