2018年09月15日

泣き虫








「悪い、悪い。そんなに驚くとは思わなかった。……何、どした?」
「………先輩こそ、………なんで?……」
「あー、……やっぱ、お前ひとりで帰すのもアレかと思って、すぐ後、追ったんだけど…」



イツキを驚かせたのは、清水だった。
焼肉屋で別れ、梶原を飲みに誘うも断られ、……もう一度イツキと…と、駅前に向かうも、すでに姿はなく、
なんとなく、駅前の繁華街をフラフラ歩いていたのだった。



「……どうした?イツキ?」
「…あ。……ちょっと、……酔っ払いに絡まれて、……走って逃げてきて……」
「やっぱり!…お前、危なっかしいな!……大丈夫だったか?」
「………ん」



事実では無いけれど、ほぼほぼ近い言い訳をする。
清水はイツキの肩に手をやり、イツキの身体の上から下までを眺め、何か、変化が無いか確認する。


「……大丈夫だったか?……何も、されなかったか?………ごめんな、独りにさせるんじゃなかったな……」
「………ん。……大丈夫」
「……大丈夫って、お前。……じゃ、……なんで泣いてんの?」
「……なんか、びっくりして、……安心した。………ん、……へいき、です…」



イツキは大丈夫と微笑みながらも、その目からは涙が零れていた。
張っていた気が、清水の登場で緩んだのだろう。
清水は、イツキと別れた数分の間に何が起きたのか、皆目見当はつかなかったが





とりあえず、目の前のイツキを、ぎゅっと抱き締めてやるのだった。







posted by 白黒ぼたん at 23:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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