2018年09月19日

動揺








イツキが部屋に戻ったのは、夜の9時。
黒川は留守。
朝、喧嘩の原因になったスーツは、クローゼットに掛かったまま。
リビングのテーブルには、灰皿と、開いたままの新聞紙。

灰皿をキッチンの流しに移し、ガサガサと新聞紙を片付ける。
ソファの、いつも黒川が座る場所に座り、適当なテレビを付け、なんとなく眺める。
梶原達と焼肉食べたのは、ほんの数時間前だと言うのに…途中イロイロありすぎて、もう、小腹が空いた気がする。
お腹も、胸も、落ち着かない。満たされていないことは、知っている。



「……カサハラ、……ムカつく。……意味、解んない……」



自分で確認するように、口に出して、言ってみる。
……笠原に、「自分の女になれ」と言われ、動揺するなという方が無理だった。
まだまるで、笠原自身の事を知らないのだし、…少し、セックスが…良かったかも知れないだけの男だけど、
気になる。気にし過ぎて、気があるのではないかと勘違いしそうになる。



「……マサヤは、バカだし。……俺が、どうにかなっちゃっても、…いいの?」



そう呟いて、イツキはそのまま、ソファにころんと横になった。














『…帰っているのか?』
「……マサヤ?。……どこ?」
『横浜だ。今日は、戻らんぞ』



寝ぼけたイツキが黒川からの電話に出たのは、真夜中すぎの時間だった。




posted by 白黒ぼたん at 19:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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