2018年09月22日

風邪







笠原に言われた事を、自分から黒川に報告した訳だけれど
そもそも「俺の女」なんて言葉は、度々連呼するものではない。
訂正するのも面倒だけど、……まず、女、でもない。
いつの間に自分がそんなものになったのかと、不思議に思う。




『笠原には次の会食で、直接、話す。……イツキは俺の女だ、と。何をしても無駄だと。
だから、お前もそれまで、大人しくしていろ。………な?』

「……俺の女、…って……!」



恥ずかしさを誤魔化すように、イツキは半分、おどけたようにそう言う。
けれど黒川は大真面目な声で、『……そうだろう?』と言う。






一体、黒川はどんな顔をして、そんな、

聞いた事も無い、甘ったるい声を出しているのだろうか。








「………うん」






イツキの小さな返事を待って、電話は切れた。








電話を切っても、イツキはそのままソファに横になったまま。
ちゃんと眠るためには寝室に行った方が良いのだけど、身体が火照って、動けずにいた。

耳も、胸も、腹も熱くて、風邪でも引いたのだろうかと思う。


勿論、風邪ではない事は、知っていた。






posted by 白黒ぼたん at 22:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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