2018年10月02日

確認・3







少しうとうとしたのかも知れない。
黒川は目を覚まし、目の前、腕の中にイツキが眠っているのを見て、今が、何の時間だったのかを思い出す。
結局、ロクな話は出来なかった。……笠原に口説かれた話など、聞いて、からかってやろうかと思っていたのに。


話を聞く前に、手が出てしまった。
あの若造がどう足掻いたところで、イツキと自分の状況は何も変わらないのだけど、


一分の隙も無く、とは言い切れない。
そこまで、自分に自惚れてはいない。





起き上がろうと、黒川はイツキの頭の下から、そっと自分の腕を引き抜く。
その動きで目が覚めたのか、イツキのまぶたが薄く開く。
何度か瞬きをし、黒川を見つけると手を伸ばし
離れそうになっていた黒川の手を、握る。



「………どこ、行くの?」
「水を飲みに行くだけだ」
「………ん」


そう言って黒川がベッドから起き上がろうとするも、イツキの、手は繋がれたまま。



「……マサヤ」
「なんだ?」
「……俺、……大丈夫だよね?」




それは何かの確認なのか。イツキは黒川にそう尋ねる。

黒川は、半分はイツキが寝ぼけているのだと思い、半分は、別の事を考え、



イツキの手を握り返し、「…ああ」と、返事をした。










確認おわり
posted by 白黒ぼたん at 23:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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