2018年10月09日

宴席・4







薄暗いフロアに、ミラーボール。
怪しげなスポットライトが、ステージの上の裸の女を照らす。

そんな店内でも、傍らに立つ男の顔ははっきりと解る。


「……ご一緒しても?」


笠原はそう言い、不機嫌顔の黒川の返事も待たずに、ブースの中に入る。
並んで座る黒川とイツキ。笠原は、テーブルを挟んで向かい側。最初から座っていたホステスは笠原と面識があるようで、和やかに挨拶をしグラスを作る。
ブースの外側には、笠原の手下が2,3名。
周りからの視線を遮るように取り囲んでいた。



「…相変わらず勝手な男だな、笠原さん」
「まあ、良いじゃないですか。…あなたも私と話がしたいでしょ?」
「あんたが話をしたいのは、イツキなんだろう?……コソコソ、付け狙いやがって…」


そう言われて、笠原は挨拶がてら、ニッコリ笑ってイツキを見る。
イツキは、下手糞に顔を背け、無視を決め込む。


「は、は。嫌われたかな。今日は真面目なビジネスの話をしたいだけですよ。
……とりあえず」



乾杯、という風に笠原はグラスを上げる。
黒川もグラスを取り、ふんと鼻息を鳴らし、酒に口を付ける。
……今、この場で、揉め事を起こせないのは、お互い様だった。





posted by 白黒ぼたん at 23:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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