2018年10月11日

宴席・6








「……それがどうした」
「…いや、…可哀想になぁ…ってね」
「…あんたがやった事だろう」
「黒川さんが、土地を横取りしたからでしょ?……はは、よく使う手、ですか?」


笠原は笑いながらそう話すも、目は、少しも楽し気ではなく。
それは黒川も同じで、グラスに口を付けながら、上目遣いに笠原を睨む。


「……借金で雁字搦めにして、狙った子を手に入れて…。売るもよし、自分好みの性奴に仕立ててもよし…」

「……笠原さん」


黒川はホステスの手元にあった洋酒のボトルを取ると、それを原酒のまま、自分のグラスと笠原のグラスに注ぐ。
まず、自分から一気に煽り、当然、次はお前だ、と言う風に水を向ける。



「…言いたいことがあるなら、言えよ。……若造」
「……は、は」



笠原は乾いた笑いを上げ、そして、黒川から注がれた酒を一気に流し込み、グラスを、ガツンとテーブルに置く。




「…とりあえず。…イツキと一発、ヤらして貰えませんかね?…どうせ、カネで手に入れた男娼でしょう?」







黒川と笠原がそんなやりとりをしていたというのに、イツキはまったく、上の空だった。

脱いだ服と、辛うじて残った恥じらいを掻き集め、ステージの片隅でしくしくと泣く女性を……、ただただ、眺めていた。





posted by 白黒ぼたん at 22:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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