2018年10月12日

宴席・7







「…俺は、もう、あんたとやりあう気はありませんよ。
確かに、泣き所を探ろうとは思いましたけどね、……あんたがコケれば、円城寺若にも影響がある。
だが、円城寺若と手打ちになった以上、無用に揉める必要もない」

「じゃあ、大人しく、引っ込んでいろよ」

「引っ込みますよ。…ただ、最後に、イツキとヤらして下さいよ」

「もう、ヤっただろう。お釣りが出る」






今度は笠原がボトルを取り、黒川のグラスに注ぐ。
そして自分のグラスにも注ぎ、ニヤリと笑いながら、それをまた飲み干す。





「ああ、逆でした。………イツキとヤったら、……それを最後に、手を引きますよ」
「…その話、俺に何の得がある?」
「むしろ損は無いでしょう?…そんなモンで、池袋と新宿の平和が保てるんですよ?」



そこまで話すと笠原は一息つき、ソファの背もたれに肘をついて、身体を反らせ、脚を組み直す。

黒川は笠原の提案にふんと鼻を鳴らし、さて、どう答えてやろうかと…とりあえず傍らのイツキの様子を伺う。






イツキは、自分の腕で自分を抱えながら、憂鬱な顔で、下を向いていた。
そして、黒川の視線に気づくと顔を上げ、……首を左右に振った。






posted by 白黒ぼたん at 22:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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