2018年10月29日

垂れ流し









一応イツキが、もてなす側、なのだろうか。

笠原はスーツの上着だけを脱ぎ、ベッドに上がると、枕を背もたれのようにして上半身は起す。
イツキは、笠原の太ももあたりに跨り、笠原の正面に向かう。
イツキのガウンが肩まで開けているのは、わざとなのか、たまたまなのか。
それでもまだ、そう、色気は滲まない。いかんせん、顔が、嫌そうだった。

笠原が鼻で笑う。



「プロ、なんだろう?…もっと、良い顔、見せろよ…」
「…………」


返事の代わりにイツキは笠原のネクタイを解く。
シャツのボタンを一つ、二つ、外し、首筋に顔を埋め、ちろちろと舌を這わせる。
笠原はイツキの肩に引っ掛かっていたガウンを胸のあたりまで下す。
肩から背中に手をやり、ぐっと抱き寄せる。イツキの細い身体が、笠原の腕に納まる。





ふいに、イツキが腕を突っ張り、笠原と少し距離を取る。

お互いほぼ裸で、こんなに近くにいて、これから間違いなく行為に及ぶというのに…

まだ、きちんと顔を合わせてはいない。

もちろん笠原とて、イツキが本当にここに来たくて、来た訳ではないと解っている。

「仕事」と言う割には徹し切れていない態度。
イツキがこの道に手練れているというのは、買い被りだったかと、笠原が思い始めた頃。






「………だって。……笠原さんと…して、……すごい良かったら…、どうしようって…。……俺、……戻れなくなったら、……困る……」



上目遣いで色気を垂れ流しながら、イツキはそんな事を言う。




posted by 白黒ぼたん at 23:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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