2018年11月22日

階段・6







最初、秋斗から声を掛けて来た時には、黒川は
秋斗は何か下心か目論みか…ただの愚痴相手以外の目的があるのだろうと思ったのだが…

それは違った。
純粋に、愚痴を零す相手が欲しかっただけだった。



「…僕がこーゆー仕事をしているのは、百も承知なんですよ? 全部解ってて、納得した上で一緒になったのに、……今更……」
「足を洗って、カタギになれとでも言われたのか?」
「言わないんですよ!…言いたいくせに、言わないんですよ?」
「……言って欲しいのかよ?……どっちだよ」



冷蔵庫に入っていたビールと洋酒。それから自動販売機で買った日本酒のワンカップを空けて、秋斗は管を巻く。
黒川は若干面倒臭げに、適当に返事をしながら、そろそろお開きにするかと時計を見る。

その、視線を外した一瞬に、秋斗は黒川に抱き付く。




「……社長…。……僕」
「…飲み過ぎだろう、秋斗」



黒川は一度、秋斗の身体を引き離す。けれどすぐに、秋斗が再び抱き付く。
勢い余って、そのまま、ベッドに倒れてしまう。













清水とイツキは店を出る。
駅への近道の細い路地は、右にも左にも、ラブホテルの看板が光る。
意識をするな、という方が無理な話で
清水はその看板の一つの前で立ち止まり、軽く、親指を差し向ける。




「……じゃあ、さ。……俺も、最後に一回だけって言ったら、どうする?」






posted by 白黒ぼたん at 23:48| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
はじめまして、何日もかけて、最初から、ずっと読んできました!
1つのお話しで、こんなに長く続けられるって、すごいですね!
暴力的な描写に、びっくりもしましたが、
黒川のイツキに対して素直じゃない所も、
イツキのオンの時と、それ以外の、ふわっとした可愛さも、魅力的ですね。
2人の絆の強さを感じます。
これからも毎日、楽しみに更新を待っています!
Posted by はるりん at 2018年11月24日 08:56
ありがとうございます!
最初からだなんて…嬉しいです!!
まだるっこしい関係の二人ですが、これからもお話、続きますので
よろしくお願いいたします。
Posted by ぼたん at 2018年11月25日 00:07
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/185026376
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック
最近のコメント
フェスタ・3 by はるりん (11/12)
フェスタ・2 by ぼたん (11/11)
フェスタ・2 by はるりん (11/11)
フェスタ・1 by はるりん (11/07)
得意技 by はるりん (11/05)
イツキ沼 by はるりん (11/03)
多少の理性 by はるりん (10/31)
わかりやすい迷路 by ぼたん (10/29)
わかりやすい迷路 by はるりん (10/26)
覚悟 by ぼたん (10/25)