2018年12月21日

一波乱・2








部屋着にコートを羽織り、イツキは慌ててエントランスに降りる。

ホールの壁に寄りかかる様に黒川と、隣に、30代ぐらいの男。
……短髪にこざっぱりとした口髭。…どこかの店員なのだろうか、腰にギャルソンエプロンを巻いていた。



「………マサヤ、…………」



イツキは傍に寄り、言葉を詰まらせる。
黒川は頭から血を流し、顔にいくつも筋を作っていた。
白いワイシャツの胸元も、血でべったりだ。





「………どう…したの……?」
「……大丈夫だ…」

「大丈夫じゃないわよ!頭、ぱっくり切れてるわよ、黒さん。…やっぱ、病院、行こう?ね?」


男の、思いのほか甲高い声に、イツキは少し驚く。


「……大丈夫だ。騒ぐなよ、タケル。……ああ、世話になったな」
「…こんな、…お子ちゃまの所で、どうすんのよ?……手当しようか? あたし……」
「…いや、いい。……じゃあな」






黒川にしては弱々しく手を振り、その手を、イツキに向ける。
イツキは訳が解らないまま、その手を取り、タケルと呼ばれていた男にとりあえず頭を下げると
黒川に寄り添いながら、一緒に部屋に戻るのだった。







posted by 白黒ぼたん at 23:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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