2018年12月24日

一波乱・4








傷口は、絆創膏では足りなかったが、何枚か重ねて貼り
さらに上からガーゼで押さえ、しばらく時間を置き、血が滲んだら取り換え…
…それを何度か繰り返して、ようやく、落ち着いたようだった。


「……とりあえず、血、止まったけど…、明日、ちゃんと、病院行きなよ?」
「………ふん」



バツが悪そうに鼻を鳴らす黒川に、イツキは呆れたという風に溜息をつき、散らかった救急箱を片付ける。
血のついたタオルやティッシュ。フローリングの汚れは、水拭きしないと駄目だろうかと思う。



「……あの、ヤブ医者。…もう、片足、棺桶に入っているからな…。病院も開いているかどうか…。
こんな時に限って一ノ宮は地方だし…、……まったく……」



言い訳がましく愚痴る黒川。
イツキはキッチンで手を洗い、熱い茶を淹れ、リビングに持って行く。
時計は午前3時。揃いの湯飲みをテーブルに置き、イツキはもう一度、黒川の傷口を見る。





「……で。何、やってたの?マサヤ。……仕事って言ってたのに…」
「………ガーゼ、剥がすなよ。……そのまま、付けておけ……」
「…あの人、誰?……タケルさんって、……そっちの人?」
「……緑茶、か?………熱すぎだろう、……もう少し………」




のらりくらりとくだを巻く黒川にイツキは唇を尖らせ、

…黒川の傷口をガーゼの上から、軽く、ぺしりと叩いた。






posted by 白黒ぼたん at 23:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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