2019年01月11日

ともあれ







イツキは無事、卒業式の日を迎える事が出来た。
開始の時間ギリギリに会場に到着し、顔に付いた血痕を袖口で拭き取り
何食わぬ顔で、クラスメイトの列に紛れる。
梶原は、あれこれ聞きたい事もあったのだが、イツキとは少し離れた場所にいるため、何も出来ず、
やがて、式が始まると、早々に船を漕ぎ始めるイツキを、焦りながら横目で伺うのだった。


途中、何度か、起立と着席を繰り返す。
イツキは隣に座る生徒に声を掛けられ、慌てて、同じように行動する。


学業が優秀だった者に贈られる優秀賞に大野。
梶原は、模範となる行動を称され、学院賞を。
その、賞状の授与には、副理事の加瀬が行い
イツキは、苦笑いを浮かべ、壇上の二人に拍手を送った。








学校は、イロイロあったけど、楽しかった。
自分が、普通の高校生でいられた事は、貴重な時間だった。
今までのこと、これからのこと、イツキは、少し考えて
……考えながら、学校長の挨拶を聞きながら、またうとうととするのだった。





posted by 白黒ぼたん at 00:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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