2019年01月12日
何度も何度も、何度も
「お前、ちゃんと見てた?俺らのヒョーショー」
「…見たた、見てた…」
「嘘つけ、こっくりこっくりしてたじゃねぇか。壇上からでも解ったぜ」
「………うそ」
式典も終わり、教室に戻り、最後のホームルームも終わる。
解散となっても皆、別れがたく、落ち着かず、あちこちでかたまり話を続ける。
隣りのクラスの大野が顔を出し、廊下で、梶原と三人で話す。
こんな他愛のないひと時も、今日でお終い。言葉が途切れたら、それっきり。
……そうなっては困るのだけど。
「……イツキ。……この後、どうする?……。…メシ、とか…」
「……いいよ。…実はお腹空いてる。朝から何も食べてないや…」
「よし!…あー、じゃあ、ちょっと待ってて。サクッと挨拶、回って来るから!」
イツキも、梶原も、大野も、やはりこのまま終わってしまうのは忍びないようだ。
とりあえず他の用事を済ませ、30分後に昇降口で落ち合って、食事に行く約束をする。
イツキと違い、梶原も大野も、用事が多い。
三人は一旦別々になり、イツキは時間までどう過ごそうかと、ふらふら、そこいらを歩く。
廊下の向こうの人だかりに、見慣れた顔を見つけて、ドキリとする。
相手もイツキに気付いたのか、周囲に別れを告げ、こちらに向かって歩いて来る。
こうやって何度も何度も、何度も
清水の姿を見つけては、嬉しくなったり、切なくなったりした事を思い出した。
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梶原くんが、黒川さんに、ボロボロにされたあの日が、強烈でした。
イツキに対して、良からぬ事も考えいたけどww何もなく、楽しく寂しく終わりそう…なのかな
後10年後位にまた再会して結ばれてるサイドも見てみたい、ある意味純愛な2人、男性の美しさのピークは27、8才位だと思う。
黒川さんも嫌いじゃないけど、ね、、、好きでもない、だけど離れらんないのも分かる 何とか症候群だわ。黒川さんの容姿も脳内で凄く良い男だからバッドエンド大好きだし^^
いつきくん、高校卒業おめでとう!
流されずよく頑張ったよ。
あのイツキの傍にいて、むしろ何も起きなかったことが奇跡でした。
でも、そんな相手も必要ですよねー。
あたしも見たいです!!
でも、10年後のいっちゃんは、ますます黒川に染められてて、もう手に負えない程エロくなってそうです。
それはそれで、いい!www