2019年02月15日

噂の新人







「……ハイ。練り石鹸。ユーカリとカモミール、30ずつ…確かに。
このシリーズ、好評ですよ。次から数量増やす予定でいます……」
「助かるよ、林田くん。ウチみたいな小規模だと、やっぱり販路が限られちゃってね…」
「ハーバルさんの商品の良さは折り紙付きですからね。バンバン売って来ますよ!」



小さな会社はハーバルと言い、地元の農家と契約して、石鹸などを作っていた。
林田は商事会社の買い付け担当で、時折ここを回っては、商品を仕入れていた。
ある程度仕事の話を済ませると、後は、社長夫妻と世間話などをする。

ミカが、お茶の用意をする。



「……そう言えば、新しい人、雇ったんですって?早速事業拡大ですか!?」
「…いやいや、そんなんじゃ、ないですよ。…まあ、…ちょっと知り合いの紹介でね。…まあ、人手も足りなかったし、…丁度良かったですよ」
「……へえ?」



少し、歯切れの悪い物言いの社長。
林田は、何か事情があるのかな、という風に、ミカを見る。
ミカは、解らない…と首を横に振り、その新人がいる、作業場の扉に目をやった。




丁度その時、作業場の扉が開き、噂の新人が出て来た。
皆が一様にこちらを向いている気がして、驚いた様子で目を丸くし、とりあえず頭を下げる。

作業用のエプロンにアームカバー。頭にはバンダナを被り、少し長い髪の毛は、後ろで輪ゴムで結んでいた。



「…えっと。……ラベル、全部貼って、色で分けて、箱に戻しました」
「ありがとう。あ、説明書、入れた?」
「はい。…説明書と案内の2枚。…中表で折って、入ってます」
「お、バッチリだね。ありがとう」





社長にそう言われ、イツキは、ニコリと微笑んだ。




posted by 白黒ぼたん at 23:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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