2019年02月18日

歓迎会・2








「どう?仕事、慣れた?細かい作業ばっかりでしょ?あたし、苦手なんだー。イツキくん来てくれて、良かったよー」


ミカはイツキにそう話し、明るく笑う。
指先には綺麗に塗られたネイル。若干、重たそうなそれでは、確かに仕事も難しいだろう。


「……俺、……あんまり出来るコトが無いので。……出来る事なら、……何でも…」
「うわっ、良い事言うなぁ。ミカちゃん、見習わなきゃだよ」
「林田さん、ひどーい!」



ミカと林田は随分と親し気で、冗談を交えながら、肩などを軽く叩いている。
実はミカの方が年上なのだが、落ち着きがないため、そうは見えない。

キャッキャと笑い、酒も強いのか次々とグラスを空け、皆のサラダを取り分ける。
賑やかな女性だが、イツキは案外、嫌いではない。

自分が何かをしなくても、場が明るくなるのなら、それはそれで有難い。




「ところでさイツキくんって、彼女、いるの?」
「……えっっ」


突飛な質問に、イツキのみならず、林田も驚き、思わずビールを吹きそうになる。


「…ちょっとミカちゃん、イキナリ何、聞いてるのさ」
「…えー。一応、聞くの、お約束でしょー? ね、ね?どうなの?」



ミカは身を乗り出し、イツキに顔を近づける様にして、そんな質問をする。
イツキは勢いに押され、少し怯みながら、「……いません」と首を小刻みに横に振る。



「………え、そうなの?……じゃあ、もしかして、チェ……」
「ミカちゃん、いい加減にしなさい!」


極めてデリケートな質問をしかけたところで、ミカは再び奥方に一喝され
少しはしゃぎ過ぎたと肩をすぼめ、ぺこりと小さく頭をさげるのだった。





posted by 白黒ぼたん at 23:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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