2019年02月26日

夜逃げ・4








朝と昼の間ぐらいの時間に起きて、散歩に行く。ホテルの近くに大きな公園があって、ぐるりと一周する。
一応、追われる身。最初の頃は回りに危険が無いかキョロキョロしていたのだけど、さすがにこの場所には現れないようで、問題はない。
コンビニでコーヒーを買って、池の傍のベンチで飲む。そこいらを走り回る小さな子供や、じっとして動かないお年寄りを、ただただ眺める。
茶色い毛の猫が足元に寄って来る。手を伸ばすと、頭を撫ぜさせてくれた。

夕方に戻り、併設のレストランで食事をする。レストランといっても、ちょっと小綺麗な食堂といった雰囲気。
出張中のサラリーマンに交じり、魚の干物定食を食べる。今日は、縞ホッケ。
ビールは廊下の自動販売機で買い、部屋で飲む。別に見る理由も無い映画を一本見て、鳴らないケータイをチェックして、眠る。




さすがに、こんな日が二週間も続くと、嫌になる。





黒川も、何もしていない訳では無かった。



『……負債は、息子が肩代わりするって約束があるんですわ。
…黒川さん、今まであの子で、よーけ稼いで来たんでしょ?。…そろそろウチに回して下さいよ』

『その話は先代とカタが付いている。カネも、利子を付けて、渡してるぜ?』

『それだで、それとは別の借金ですよ。とにかく息子、出してちょうよ』

『……残念だったな。……あんたの所の動きが怖くて、逃げたようだぜ。……居場所は、俺も、知らん』



光州会の高見沢は、度々、黒川の事務所を訪れては、そう煽り立てる。
知らぬ存ぜぬで通し続けられる相手ではないが…、イツキを出しては、余計に話が拗れる。

どうにかやり過ごし、おそらくデマカセであろうこの状態の、事を収める方法を探っていた。






posted by 白黒ぼたん at 23:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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