2019年03月21日

林田さん・2








「なんだ、飲めるんだ。まあ、そうだよね、俺なんかも学生ん時から、結構、飲んでたもんね。はは、じゃあ、この前の飲み会はつまらなかったでしょ」
「はい。……あっ、いえ、つまんないとかそんなのは無くて……」
「ははは。でも、最近は店も厳しいからねー。イツキくん、カワイイ顔してっから、絶対「年確」されるしねー」


未成年のイツキの飲酒については、林田はまあ、理解を示してくれた。
…もっとも、これまでのイツキの生活を知ったら、そんな悠長な事は言っていられないと思うが。


「じゃあさ、今度、飲みに行こう。知り合いんトコで、内緒で飲めるトコ、知ってるから」
「……ええっ!………はい!」




その時のイツキはおそらく、ここに来て一番の、晴れやかな笑顔を浮かべていたに違いない。
目をぎゅっと閉じ、うんうんと何度もうなずき、嬉しそうに頬をほころばせた。



林田は



ああ、この子は本当に可愛い顔をしているな…と思う。



女の子に感じるような、どこか何か頼りなくて、助けてあげたいと思う感覚が…胸に沸いた。






その後は意外と打ち解け、仕事の愚痴なども話し、楽しい時間を過ごした。








お酒の問題は、イツキにとって重要だった。
アル中、とまでは行かなくとも、今まで毎日飲んでいたものを、急に無くすことは難しい。
ホテルに潜伏していた時は、廊下の隅の自動販売機でこっそり買うことが出来たのだけど、ここではそれも出来ない。


買いだめしていた何本かも、もう、飲み終わってしまった。






posted by 白黒ぼたん at 22:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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