2019年04月10日

イツキ・7








一か月と少しの間、離れていただけなのに
肌や唇の質感はこんなものだったろうかと、思う。
間近に掛かる吐息も視線も、ただそれだけなのに、身体の内側を揺すり、熱くする。

やはり、この相手が良いと、お互い
思ったが、それは口に出しては、言わない。




「………薄っぺらい布団だな…、腰が痛くなる」
「……無いより、……マシでしょ?」
「……まあな」



段ボールに囲まれた部屋に敷きっぱなしになっていた布団は、お世辞にも、上等のものとは言えず
とりあえず、文句は言うが、……実際、そんな事はどうでもいい。

早くしないと、消えて無くなってしまうのではないかと、心配になる。
手早く服を脱ぎ、素肌を合わせ、幻ではない事を確認する。


乱暴とも思える程、黒川が、イツキの前髪を掴み、顔を上げさせる。
豆電球の小さな明かりの下、顔をまじまじと眺める。
イツキが手を伸ばし、黒川の頬に触れる。
唇を重ねる。舌を交える。雄の部分がどくんと脈打ち、欲望が膨れ上がる。






「…………イツキ」

始める前の儀式のように、名前を呼ぶ。







古い木造アパート。おそらく壁は薄く、大声や物音などは隣に筒抜けになるだろう。
それを気にする余裕も無いほど、二人は、久々のお互いを貪り合った。





posted by 白黒ぼたん at 20:43| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
なんだか 普通のなんの変哲も無い恋人同士

逢えない時間が愛育てるの みたいな 、、、
よろしく哀愁だわ
Posted by ぷぷ at 2019年04月11日 00:52
また古いトコロで攻めてきますな。

ぼたんは
壁際に寝返り打って、背中で聞いてて欲しいです。

やっぱりお前は出て行くんだな…

つか、お前が追い出したんだろう笑
Posted by ぼたん at 2019年04月12日 22:08
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