2019年04月19日

黒川・4








イツキが、借金のカタに手に入れた商品で、何かと都合の良い欲情の捌け口……、だけの存在ではない事は、ようやく黒川も自覚していた。

ただ、では、それが何なのかは、まだ答えを出さないでいた。

とりあえず朝昼晩と一緒に過ごし、文句を言いながら食事をし、肩を抱きながら酒を飲み、ただれるまで身体を重ねた。





「………依存症かよ。………ヤクより、タチが悪いな……」





事務所の近くの焼き鳥屋で、一人、管を巻く。
薄々気が付いてはいたが、イツキを外に出して以来、若干、暇を持て余していた。
仕事は忙しいし、言い寄って来る女も男も、いない訳ではない。ここ数日の間でも、付き合いの延長で夜を過ごした相手がいる。

けれど、そのどれもがどこか不十分で、逆に、足りない部分を意識させられた。








「……お待たせしました、社長。……おや、随分と…進んでいるようですね…」


遅れて、一ノ宮が店に来る。
カウンターの黒川の隣りに座り、自分も同じ酒を注文する。
多少、酔いが回った様子の黒川。煙草を吸い、つまらなそうにふんと鼻息を鳴らし、いつの間にかグラスが空になったと、ぼやく。



一ノ宮は気付かれないように、小さく笑う。
こんなに、人、らしい黒川を見るのは久しぶりだったし、まあ良い傾向なのではないかと思った。







posted by 白黒ぼたん at 23:29| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
一ノ宮さん、黒川の気持ちをよーくわかってますよね!
黒川さん、いっちゃんに対する自分の気持ちに向き合う大事な時間なんですね。
どれほど大事だったのか、認めて欲しい!
Posted by はるりん at 2019年04月20日 07:07
黒川、いっちゃんの事は大事。
でも、大事なものの扱い方は、…知らないんですよね…。……困った男です。
Posted by ぼたん at 2019年04月24日 15:27
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