2019年05月01日

小森さん・2








よくある話だった。

4、5年前。ミツオがよくハーバルに顔を出していた頃。
二十歳そこそこの若い美容師と、三十路手前の艶気のある主婦。
まだ小森には子供がおらず、出会った若い美容師に簡単に恋に落ちてしまい、数度、身体の関係を持つ。
…妊娠した時は、…正直、焦り、困ったものだが、……それは幸い、夫との間のもので…、それを機にミツオとの火遊びも、終わりにしたのだった。


それ以来、時に何事も起こらず…、ミツオにとっては、ただの思い出の一つにしか過ぎないのだが…
小森にとっては違ったらしい。

仕事場でミツオの名前が出るたびにドキリとする。最近ではミツオの紹介で、男の子が入って来た。また頻繁に、仕事で関りがありそうな気がする。

もう一度、以前のような、恋愛関係に戻れるかも知れない。




それなのに、久しぶりに顔を合わせたミツオは、まるでただの仕事先の知り合いのような顔で他所他所しく…二人きりで話す時間も無いという。
自分だってもう若くはないと自覚はある。まして、…子供もいる身なのだ、そう浮付いたことも出来ない。

諸々、解ってはいても…、……無性に苛ついてしまう。








「……小森さん、コワ〜。……更年期かも…」

様子を伺っていたミカが、小声でイツキに話しかける。
勿論、その声は小森に聞こえており、一層、怒りを買うことになるのだった。






posted by 白黒ぼたん at 22:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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