2019年05月21日
余波・3
林田は若干浮かない顔のまま、午前中の仕事を片付けていた。
二日酔いと睡眠不足。それ以上に、気になる事があって、仕事に身が入らない。
昨夜の接待飲みは、自分が潰れた事以外は、まあまあ成功だった。
何故かイツキはああいった場に慣れていて、話し上手で可愛くて…、部長は上機嫌で、今度は山間の温泉地に行こうなどと言っていた。
ブランド物の黒いスーツを着こなすイツキを、ホストのようだと思ったけれど…本当に、飲みの席にいるような仕事をしていたのかも知れない。
男と、付き合っているというのも、驚きだったが。
言われてみれば、確かに。そういう…タイプの子…、なのだろうと…、……思う。
「…ああ、林田くん。昨日はありがとうね」
「社長。腰はもう大丈夫なんですか?」
「うん。昨日、帰りに整骨院行ってね、ずい分楽になったよ」
昼過ぎにハーバルに顔を出す。社長はなんとか復活し、世話になったと林田を労う。
……部屋には、イツキの姿は見えない。
「…ああ、電話があってね。今日はお休み。…昨日ので、疲れちゃったかな」
「林田さん、何かしちゃったんじゃないですかー?無理やり、飲ませたとかー?」
「……してないよ!」
話の合間にミカが茶化すと、つい、林田は全力で否定してしまう。
それでも、あんな席に連れて行き、飲酒させた責任は自分にあるのだ。
林田は、仕事上がりに、イツキのアパートに様子を見に行くことにした。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/186029956
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
この記事へのトラックバック
http://blog.sakura.ne.jp/tb/186029956
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
この記事へのトラックバック
またショック受けちゃいますよ!
いつか、報われるといいけど…