2019年06月12日

極楽の夜・8







もともとイツキには大した倫理感など無いし、黒川に操立てしている訳でもない。
少し優しくされればミツオと、酒が入れば林田とも、身体を重ねてしまう。
今まで散々、仕事だ何だと言われてセックスをしてきたのだから、それ自体に意味など持たないのだけど

一応のボーダーラインは、ある。



とても大切な友人……梶原や、…一ノ宮もそうかも知れない、尊敬し、一目置くような相手とは、ヤらない。
そして、あまりに危険な相手。逆に自分が堕ちてしまいそうだと感じる相手には、警戒する。
……笠原がそうだったかも知れない。…結局、シてしまったけど…。




同じ湯の中、背中に気配を感じながら
この男は駄目だと…イツキはのぼせた頭で、必死に自分に言い聞かせる。
ましてや黒川と同業なのだ。トラブルになるのは目に見えている。
どうにかこの場から離れ、何ごとも無かったかのように、軽やかに、男の前から消え去ろうと………イツキは思いあぐねる。

そんなイツキの画策は、まあ、上手く行った試しはない。






「………なあ、兄ちゃん……」

男がもう一歩間を詰め、イツキに話しかけた瞬間に、イツキは勢い立ち上がる。
そのまま何も言わず、風呂から上がるつもりだったが……湯に足を取られたのと、のぼせていたのとで、フラつき…

あろう事か、男の肩に手を付いてしまう。

「…ああっ、ごめんなさい。……俺、……帰ります……」

何とか体勢を立て直し、男にぺこりと頭を下げると、バシャバシャと湯を掻き分け風呂から出る。







posted by 白黒ぼたん at 23:38| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
いっちゃん、理性をかき集めて〜
でも、もう無理かも〜
のぼせちゃってるし、フラフラしてるし
男がいっちゃんの重力に引き寄せられてますよ
Posted by はるりん at 2019年06月13日 04:54
いっちゃん重力、強いですね。
ブラックホール…

もしくは、ウワバミ・笑
Posted by ぼたん at 2019年06月15日 06:21
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