2019年06月25日

爆弾







「林田さんって、もしかして、イツキくん…好きになっちゃったとか…、……ないですよねぇ……」


その日、ミカと小森の二人は就業時間を過ぎても、まだ細々とした仕事をしていた。
少しするとミカが手を止め、解りやすく溜息を付く。あらかた仕事を終えていた小森が顔を上げ、ミカに水を向ける。


「………ええー、何言ってるの、ミカちゃん。……林田さんと何かあったの?」
「……何もないですよぅ。……無いから、困ってるんです……」


小森は、ミカが林田に気がある事を知っていた。
そして、いつも元気でムードメイカーのミカだが、林田に対しては意外に奥手で…未だ目立ったアプローチが出来ていない事も知っていた。

ミカも、その事は解っている。
だからこそ最近はイツキを介して、なんとなく、もう一歩近い仲になれたらと…思っていたのだけど……

どうもミカを飛び越えて、二人の様子が怪しく、オカシイ気がするのだ。




「……林田さんとイツキくん。飲みに行ったり、おウチに行ったりしてるみたいなんですけど……」
「あら、気が合うのかしらね」
「……でも、今日なんて、目も合わせない感じで…、……なんか……なんか……」
「もう、何言ってるのよ、ミカちゃん。……第一、男の子同士でしょ?そんな事、ある訳ないじゃない。漫画の読み過ぎよ」



小森はそう言って笑う。

ミカも、自分でも変な事を言っていると思う。それでも、そんな気がしてならない。
物憂げに頬を膨らませ、唇を尖らせ、首を傾げて、んんん…と唸る。




「でもね、小森さん。イツキくんって…、……ソッチの子なんですよ。ほら、ここに来たミツオさんっているじゃないですかー。ヒゲのイケメンさん。
イツキくんとあの人、付き合ってるみたいですよ……」




そんな爆弾を、さらりと落とすのだった。





posted by 白黒ぼたん at 22:51| Comment(3) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
あーあ 言っちゃったよ ミカちゃん
Posted by きんぎょ at 2019年06月25日 23:18
あーあ
ミカちゃん、サラリとすごい爆弾を投下してしまった…
Posted by はるりん at 2019年06月26日 15:08
きんぎょさま
ミカちゃん、悪気は無いんだけどねー…。この職場、もう泥沼っす。


はるりんさま
そもそも、ミツオ恋人説は、間違いなんですけどね…。でも恋人でも無いのに、関係持ってる方が問題か…
Posted by ぼたん at 2019年06月26日 22:53
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