2019年06月26日

嫉妬







小森がミツオと男女の仲になったのは、4,5年前。
けれど当時すでに小森は既婚者で、平たく言えば不倫というやつで…
……それは小森の妊娠を機に、自然消滅したのだった。

しかし、最近また、ミツオの姿を見掛ける様になって…火がついてしまう。

家庭を壊す気は毛頭ないのだけど、以前よりさらに男臭くなったミツオに、年甲斐も無く胸がときめく。




「……馬鹿ね。おばさんがみっともない。……ミツオさん、もう、好きな人がいるのにね……」




夫と子供が寝入った真夜中、小森は台所の片づけをしながら、溜息を付く。
久しぶりに会ったミツオに素っ気ない態度を取られ、少し落ち込んでいたが、…その理由が解り、さらに落ち込む。
ミツオに同性愛の趣味があった事は驚きだったが、相手がイツキだとすれば、何となく…解る気もする。


どうにせよ、もう、自分の出る幕はないのだ。
ミツオへの想いは胸に秘め、表に出すことは決してしない…と、小森は娘の弁当箱を洗いながら誓うのだった。












「……イツキくん、この箱、天地が逆でしょ?見れば解るでしょ?見てないの?
こんな、箱にシール貼るだけの仕事でお金貰ってるんだから、もっとしっかりやってくれなきゃ困るのよね。
ここの角も折れてるし、ここも変。ここも!
ああ、もう。こんなの、いちいち直してたら、日が暮れちゃうわ!」


翌日の小森はいつもに増してピリピリと、険悪な空気を漂わせていた。
男への想いは隠そうと思っても、そう簡単に、隠れるものではなかった。







posted by 白黒ぼたん at 22:48| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
小森さん、気持ちはわかるけど、いっちゃんに八つ当たりはいけませんよ
付き合ってないですからね
Posted by はるりん at 2019年06月27日 13:33
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/186195304
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック
最近のコメント
フェスタ・3 by はるりん (11/12)
フェスタ・2 by ぼたん (11/11)
フェスタ・2 by はるりん (11/11)
フェスタ・1 by はるりん (11/07)
得意技 by はるりん (11/05)
イツキ沼 by はるりん (11/03)
多少の理性 by はるりん (10/31)
わかりやすい迷路 by ぼたん (10/29)
わかりやすい迷路 by はるりん (10/26)
覚悟 by ぼたん (10/25)