2019年06月29日

言葉足らず







黒川は夜中に、マンションの部屋に戻って来た。
半分付き合いという名目で、酒と女を引っ掛けて来たのだが
気は晴れず、逆に、陰鬱な気分になる。




『……笠原氏と光州会ですか…。それはまた厄介なトコロが組みましたね。
光州の高見沢さんは先代に遠慮して、もう、イツキくんには関わらないという感じでしたが……、
その件だけ、笠原氏が動くとしたら……、……厄介ですねぇ……』




後から話を聞いた一ノ宮が、険しい顔でそう言う。
そもそも光州会も、笠原も、もうイツキとのイザコザは解決済みのはずだったが…
両者とも、隙あらば…と、狙っているのは確かだろう。



「………ふん。………一発、やらせておくか。……それで済むのならな…」



誰もいない真っ暗な部屋で、黒川は缶ビールを片手に、そううそぶく。
確かに少し前なら、そう言った交渉の手段としてイツキを差し出すこともあったが、今は、しない。









ベッドに入ってしばらくして、ケータイがチカチカと光る。
イツキからの短いメッセージが届く。
仕事で嫌な事でもあったのか、めずらしく弱気に、『……俺、そろそろ、帰ろうかな……』と。

黒川の返事は



『駄目だ』




の、一言だった。




posted by 白黒ぼたん at 22:51| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
いっちゃん、帰りたいよね(ToT)
でもタイミングがものすごく悪い…
黒川いっちゃんのとこに行ってあげて〜
Posted by はるりん at 2019年06月30日 07:39
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