2019年07月20日

深夜2時








「……林田さんはハーバルの、俺が働いてるトコの…、取引先みたいなトコの人で…
今日は…その辺の人たちとの飲みの席で…、……そんな感じ。もう電車も無いし、タクシーで送ってもらったんだ……」



部屋に入り、イツキは台所で茶など入れながら、ざっとそんな説明をする。
黒川は、新しいソファに横柄に座り、ふんと鼻息を鳴らす。



「……飲みの席か。…未成年、云々はどうした」
「…マサヤが、それ、言う?……俺のこと、未成年だなんて、扱ったことないくせに」
「………家まで送りついでに、……ヤルつもりだったんだろう?」
「……さあね」



ダン、とテーブルにグラスを置き、イツキもその脇に座る。
黙ってしまえば、静かな部屋。古い冷蔵庫のモーター音が、響く。




熱くなり過ぎたと、黒川にも自覚がある。
一ノ宮の挑発に乗り、遠距離を嫌がるタクシーに倍額払うと万札を投げつけ、こんな所まで来ただけでも十分だと言うのに…
……うっかり、一般人に手まで上げてしまった。
イツキに関することに冷静さを欠く事が、多々あることは、解っている。
その理由は、深く考えずとも、………おそらく、知っている。

ただそれを口に出して説明してやるには、まだ、時間が要る。




「………くそ」





悪態を一つ付く。



そんな不器用な黒川の腕の中に、イツキが、自分から滑り込む。





posted by 白黒ぼたん at 21:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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