2019年08月06日
布団
黒川は布団の上に仰向けになりながら、煙草に火を付け、一服する。
隣りでそれを見ていたイツキは、…灰が落ちそう…と心配する。
何度も突かれ、イかされ、身体は甘く痺れたまま。
思い出すだけでも、どこかがジンと来そうで、困る。
「……マサヤ、…煙草、……あぶないよ…」
「………ああ」
解っているのだろう、黒川も一応、そう答える。
頭を醒ますための一服。最後に深く息を吐くと手を伸ばし、吸殻を、向こうにあったビールの空き缶に捨てた。
「……布団は、駄目だな。…脚が痛くなる」
「……動いちゃうしね。…壁に頭、ぶつけそうだった…」
「お前が芋虫みたいに動き回るからだろう」
「………イモムシ…」
黒川の言葉にイツキは不満げに唇を尖らせる。
確かに、そんな風に動いていたかも知れないが…
それは、黒川がそうさせたのだろうと…思う。
もう、無理と身体を強張らせるイツキを捕らえ、引き寄せ、さらに奥へと貪り貫き。
何かにすがろうと伸ばすイツキの手を、取り、その指先さえ、舐りつくし。
気付くと、とうに身体の下に布団は無く。
移動しては、また、足で蹴飛ばし…を、何度か繰り返した。
「……やっぱり、ベッドがいい?……買っちゃう?」
「…いや。…ヤリ部屋になっても困るかなら…。……ダレカレ、連れ込みそうだ」
「……連れ込まないよ」
「そうか?」
半分本気のように黒川はそう言って笑い、もう一眠りと、傍らのイツキを抱き寄せた。
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布団が不満そうですが、ベッドでは体半分ずり落ちそうになりながらでしょうから、どっちもどっち?ww
濃い時間を過ごすと、いなくなった時の虚無感がハンパなさそうです
二人のお話、楽しすぎて
なかなか…、帰れません…