2019年09月10日

ガールズトーク






「……えっ、……嘘?」
「嘘じゃないです。どうしてそんな話に…、……あ、林田さんですね?」
「……ん、まあ…。……え、でも……」



仕事中。イツキとミカはなるべく小さな声で話す。その様子を斜向かいの小森がチラリと睨む。



「……林田さんにも話ましたよ?……違うって」
「そうなんだ。そうか……、ん、ちょっと変だなーって思ったんだよ、話が…」
「ミカさん、この箱からラベルが変わります、こっちの…青いのです」
「あー、ハイハイ」



先日、一緒に食事をした時、酒が入っていたこともあって、イツキとミカはそんな話をしたらしいのだ。
イツキはなるべく…自分の話をしたくはないのだけど…、ついポロリと零してしまい、ミカは瞬時に喰い付いて来る。

今までのイロイロな情報を掻き集め、イツキの周辺を探る。
そしてようやく、一つ、大切な事を間違えていたことに気付いた。



「……そっかー。ミツオさんじゃないのか、イツキくんのカレってー」
「…………ミカさん。………声、大きいです…」





イツキはミカを窘めるように、唇に指を一本あて、しっとして見せる。
そして、話が聞こえていただろうかと、そっと小森の様子を伺う。

話は、小森にも聞こえていた。



小森は目を丸くし驚いた顔をしていたが、イツキと目が合うと、何故かニコリと優しく微笑むのだった。









ガールじゃないけど…w
posted by 白黒ぼたん at 22:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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