2019年09月28日

潮目







「……笠原さん」



しばらく黙っていた黒川が重たい口を開く。手元のグラスの氷がカランと落ちる。



「……池袋の…駅前パーキングの土地と、A倉庫は俺が押さえている。…あんたが欲しがっている所だろう?……その辺りで手を打たないか?」
「……それは、また……、イツキくんはそれ程の価値って事ですか…」
「これ以上の面倒は御免なんでね。……逆を言えば、この機を逃したら、あの土地は一生あんたの手に渡らんようになるぜ」



黒川の提案に、笠原の顔色が曇る。
確かに、狙っていた土地。どこでどう嗅ぎ付けてくるのか、実にいやらしい場所を黒川は突いてくる。



「笠原さん。……俺としても…叔父貴の手前、あんたと揉めたくは無いんだよ」
「ああ、それは黒川さん、……俺も…」

「それなら」


笠原の言葉を遮る様に、黒川が語気を強めて口を挟む。
途中、ふんと鼻息を鳴らす。……本当にもう、厄介だといった様子。




「くだらんゴタクを並べて人のオンナに手を出すのは止めろ。
譲歩してやっている内に話を呑め。

潮目を見誤ると、……後は無いぞ?」




posted by 白黒ぼたん at 22:44| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
いっちゃんを守るための値段てすごいですね!
それがいっちゃんの価値なんですよね
黒川それを態度で示そうよ
Posted by はるりん at 2019年09月29日 06:55
不器用な男ですからww
Posted by ぼたん at 2019年09月29日 23:06
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/186616588
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック
最近のコメント
イツキのおでかけ・6 by はるりん (04/02)
イツキのおでかけ・5 by ぼたん (04/01)
イツキのおでかけ・5 by はるりん (04/01)
おでかけイツキ・3 by ぼたん (03/30)
おでかけイツキ・3 by ひとみん (03/30)
おでかけイツキ・3 by はるりん (03/30)
イツキのおでかけ・1 by ぼたん (03/28)
イツキのおでかけ・1 by はるりん (03/28)
避難 by ぼたん (03/27)
フリ by ぼたん (03/27)