2019年10月23日

馬鹿な子







松田とイツキはタクシーに乗り込む。
「…とりあえず、駅前通り。……パチンコ屋の方ね…」
そう簡単に行き先を告げ、車は走り出す。
イツキは窓越しに、小森にぺこりとお辞儀をする。

その様子を、松田は隣で可笑しそうに眺める。



「……何?……俺があのオバサンに、何かすると思った?」
「……松田さんだって…、ちゃんとした仕事なのでしょ?……騒ぎを起こすとは……思わないけど……」
「…そりゃあね。ふふ。……でも、アレだ、オバサン、関わらせない方がいいと思ったんだ、賢明だね」



イツキは窓の外を向いたまま。
車は薄暗い郊外から、広い大通りに入る。地方都市らしくあちこちに、ラブホテルの看板が光る。


確かに、松田が小森に手を出すとは思わなかったが、下手に関わりを持たせたくも無かった。
松田が極道の男だという事も、自分が、そんな男達相手に多々、身体を開いて来たことも…出来る事なら、知られたくはないのだ。


イツキはふうと、小さく溜息をつく。



「……松田さん、俺、……あったこと全部、マサヤに話しますよ?」
「……へえ、……そうしたら、どうなるのかな…」
「……めちゃくちゃ、……怒られます。……俺が」



その言葉に、松田は声を上げて笑った。




posted by 白黒ぼたん at 20:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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