2019年10月31日
考察
一際甲高い声でイツキは鳴き、身体を反らせ、息を止め、……イく。
松田は急ぎ、イツキの中から撤退する。
ここで終わってしまえば、後が楽しめない。中でイク、イツキとは違うのだ。
イツキは、
『…あ』とか『…う』とか、言葉にならない声を洩らし、身体をくねらせる。
余韻に浸っているのか、次が欲しいのか、しがみつくように松田の腕に手をやり、ぎゅっと掴む。
『………イツキ……』
名を、声に出して呼ぶ。
風呂屋でチョッカイを出したときには、まあ、どこかの店のウリの子だろうと…そんな位にしか思わなかった。
新宿で、そこそこ名の通る黒川興業のオンナだと解った時も、まあそうかと、頭の中で納得しただけだった。
頭で解ったつもりになるのと、この手で体感するのと、どれほどの違いがあるのか身に染みる。
染みすぎて、痛い。痛みは、新鮮な心地よさを伴う。
松田は身を屈め、息も絶え絶えなイツキにキスをする。
はじらいながら絡らまる舌に、また、騙されそうになる。
顔を上げ、イツキの身体を裏がえし、尻の膨らみに手をやって…
その真ん中に、今度は容赦なく、自身を突き立てるのだった。
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