2019年11月02日
イツキ沼
終わった後のイツキは実にサッパリと
松田の腕の中からするりと抜け、シャワーを浴びに行く。
戻って来るとすでに身支度を終えていて、横のソファに座り、茶などを飲む。
あまりに普通すぎて、数分前までの出来事が嘘のようだった。
あれだけ身体をくねらし腰を揺らし、艶めいたヨガリ声を上げていたと言うのに
………演技だったのか?
と、一瞬、戸惑う。
それでもそれを口にするほど、松田は野暮な男ではないし…、まあ、イツキにも色々…思うトコロはあるのだろう。
帰り際に、一応、『………悪かったな』と、お決まりのセリフを言うと、イツキは
『………いいえ』
と小さく笑って、首を横に振るのだった。
イツキと別れ、自宅に戻り、一人。
松田は、イツキとの時間を思い出す。
どこから、どこまでが、飾らない素の姿だったのだろうか。
本当はもっと、違う姿が見られたのではないか。
もっともっともっと、イツキを鳴かせ熱くし、自身の手で狂わせることが出来たのではないか。
征服し好きに扱ったつもりが、逆にすっかり、支配されてしまったよう。
とぷりと、沼に落ちる自覚は、あった。
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みんなハマって動けなくなります